「熱き絆はロシアまで」 大園建(高31回)

- 高校6回生の先輩方が繋いでくれた絆の物語 -
こんにちは。今年の関東地区同窓会総会を担当させていただきます、高校31回生の大園です。
cap011c.jpg私たちは、5年前の本校同窓会当番の準備段階から「嘉族の絆」をテーマに、25年ぶりに集った仲間たちと絆を深めてまいりました。我々の絆の一つのエピソードをご紹介します。2008年12月に掲示板に書いた記事番号344のリメイク版で恐縮ですが...
行方不明やった同期が、インターネットに仕掛けた同期の罠にまんまと引っ掛かり、ロシアで無事捕獲されて嘉穂高校4年0組(31回生は大同窓会が終わると、4年0組に進級して、皆同じクラスになっちょります。)に途中編入した話です。
一中出身の彼、Fは今もロシアに単身赴任しちょります。
我々31回生が本校大同窓会の当番を無事終えてホッとしちょった頃、Fはロシアのとある日本料理屋の馴染みになっちょったそうです。
そこには、我々より若い板長がいて、カウンターで出身地の話をしよった時のことだそうです。
「先輩、福岡なんですか。私は千葉ですが、亡くなった父親が福岡でした。」
「ふーん。そうね。」
「それがですね。父親の葬儀の時、千葉でやったんですけど、凄かったんですよ。」
「どうしたの?」
「葬儀が始まってしばらくしたら、マイクロバスが一台やってきて、中から喪服を着た男の人達がぞろぞろと降りてきて、いきなり全員で何やら校歌を歌い始めたんですよ。」
「えっ?...」
「そして、歌い終わったら遺影に一礼して、そのままマイクロバスで立ち去ったんです。」
「ん?...」
「親族も参列者も、みんな唖然としてました。でも、とても見事な姿でした。」
「お、お父さん、嘉穂高校じゃない?」
「え~っ!!なんで分かるんですか?そうですよ!」
「俺も嘉穂高校だから分かる。そんな馬鹿な(良い意味ですよ!)事する高校は福岡でも嘉穂高校しかない!」
数奇な運命で、遠くロシアの地で巡り合った、お逢いしたこともない先輩の、その息子さんと嘉穂の後輩。
若き板長君は早速日本のお母様に電話をしたところ「お父さんが引き合わせてくれた縁、大切にしなさい。」と言われたそうです。
ますます絆を深めた二人。
ある時、若き板長君。
「先輩、大変です。先輩がインターネットで指名手配されてますよ!」
「ええ~っ?」
当時流行っていた名前のネット検索を、板長君がFの名前でやってみたところ、「WANTED」と書かれたページにFの名前を見つけたそうです。
そのページこそ何を隠そう、今は無き31期のホームページの連絡先不明者のコーナーやったとです。
ネットに仕掛けた罠に掛かり、無傷で捕獲されたFは、その年の5月連休に帰国して、4年0組の入学式を無事済ませました。
亡くなった先輩が、息子さんにFを引き合わせて繋いで下さった絆を、こんどは息子さんがFに我々を引き合わせて繋いでくれました。何より、葬儀で校歌を歌われた先輩方の熱き嘉穂魂が時を越え、国を越えて伝わったのだと思います。
校歌を歌い友を送った熱き先輩方がこの記事を見て頂いて、10月1日の総会にお見え頂けたら、でったん、でったん嬉しいです。
※後日ロシアの板長君は、高6回 須藤 郁先輩のご子息と言う事がわかりました。

平成22年度当番 実行委員長 大園 建(高31回)